【ヨガ哲学】Om Shanti Shanti Shantih. ー その2
こんにちは、hisaeです^^
Om Shanti Shanti Shantih.（オーム シャンティ シャンティ シャンティヒー）
このマントラについて
前回、『Om』の部分をお話ししました^^
今回は
『Shanti Shanti Shantih』の部分についてです★
『Shanti』とは？
『Shanti（シャンティ）』＝『平和』、『平穏』、『心の平安』、『至福』
ヨガでは、
体の動きや呼吸など
普段無意識に行っていることを意識化し、
身体と呼吸の先にある心の動きをコントロールすることで、
心を静寂にしていきます。
自分の一時的な感情に振り回されることなく、
ただただ、満たされている感覚や安心感、心地よさを感じるような
心が穏やかな状態を目指していくのです。
湖で例えるなら
さざ波がひとつもなく、
湖を覗いたら
自分の顔が水面に映るし、
水も澄んでいて
湖のなかもはっきり見えるような状態です。
私たちは
いつも心に振り回されてばかり。
視覚や聴覚といった五感から
たくさんの情報を受け取り、
その情報のせいでいちいち心がざわつき、
だんだんと本当のことが見えなくなっていってしまいます。
心に振り回されることがなければ
とても穏やかで平和な状態ですよね。
つまり、
『Om Shanti Shanti Shantih.』の
3回の『Shanti』には、
私たちの
ざわつきがちな心が
「平和でありますように」、「静まってください」
そんな意味が込められているのです。
なんで3回唱えるの？
なんで
「平和でありますように」、「静まってください」と
3回唱えるのでしょうか？
この『3』という数字は
私たちの心のざわつきの原因となるような
3つの苦しみを表しています。
その3つの苦しみとは
① アーディタイビカ （自然からの苦しみ）
② アーディボディカ （生き物からの苦しみ）
③ アーディアディミカ （自分自身が生み出す苦しみ）
この3つの苦しみから解放されますように、と
私たちは3回の『Shanti』を唱えるのです。
私たちの3つの苦しみ
① アーディタイビカ （自然からの苦しみ）
地震、津波、台風、火山噴火、雷、大雨、大雪…
といった自然災害などによってもたらされる苦しみのこと。
② アーディボディカ （生き物からの苦しみ）
他のひとや、動物、植物、ウイルス…
といった自分以外のひとや生き物から受ける苦しみのこと。
私たちは
自然災害や生き物によって引き起こされる苦しみから逃れようとしても、
自分ではどうすることもできません。。
③ アーディアディミカ （自分自身が生み出す苦しみ）
「私」という意識がつくりだす苦しみのこと。
肉体的苦痛と精神的苦痛の2種類。
・肉体的苦痛
3つのグナ（サットヴァ・ラジャス・タマスという性質）
または
3つのドーシャ（ヴァータ・ピッタ・カパというエネルギー）
から生じる。
・精神的苦痛
①カーマ（欲望）、②クローダ（怒り）、③ローバ（貪欲）
④モーハ（執着）、⑤マダ（傲慢）、⑥マッシャリ（嫉妬）
から生じる。
とはいえ、
カーマ（欲望）がすべての苦しみの根源と言えます。
私たちが
自分でどうにかすることができるのは、
自分自身が生み出す苦しみだけです。
不安や恐怖、孤独、怒りといった感情や
自分を縛り付けて動けなくしているような思い込みは、
自分自身がつくりだしたもの。
それを握りしめて手放せなくなっているのは、
「私」という意識が、無意識のうちに
感情や「私」以外のものを、「私」だと思っているから。
感じる対象となるものは、「私」ではありません。
どんな感情も、どんな思い込みも。
客観的に感じることで、
「本当の私」の存在に気付くことができます。
「本当の私」は、魂そのもの。
魂の性質は
サット（永遠）・チット（知識）・アーナンダ（至福）。
苦しみから解放され、
喜びや至福の中に常にいる状態こそが、
私たちの本来の状態なのです。
3回の『Shanti』は、すべてのものへの『祈り』
自分でどうにかすることのできない
自然や生き物によって引き起こされる苦しみも、
『祈り』によって
その苦しみから守られると言われています。
私たちは、
1回目は、自分自身
2回目は、自分まわりにいる人やもの
3回目は、すべての世界、生きとし生けるもの
に対して『Shanti』を唱えることで、
3つの苦しみが引き起こされないように、
だれもが苦しみから解放されるように、
すべてが平和な状態になるように祈るのです。
Om Shanti Shanti Shantih.
Om Shanti Shanti Shantih.
「すべてのものが平和でありますように。」
という祈りのマントラ。
もし、
聞いたり、唱えたりする機会があった際には、
意味を思い出して、
一緒に祈っていただけると嬉しいです^^
とはいえ、
まずは自分が満たされていないと、
周りを見れるような余裕もなくなっていくし、
周りに分けることができるものもありません。。
1回目の『Shanti』は特に
自分のために大切に祈ってあげてくださいね♪
それでは
みなさまの１日が、今日も素敵な1日になりますように。
Om Shanti Shanti Shantih.
